“5人衆”吊し上げられ「後継の決め方」すら決められず

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安倍元首相の一周忌を前に派閥大紛糾!

“5人衆”吊し上げられ「後継の決め方」すら決められず

公開日:2023/07/07 13:50 更新日:2023/07/07 13:50
安倍元首相の一周忌法要が8日執り行われるが、大きな節目を迎えても、自民党最大派閥の安倍派は後任問題が決着しそうにない。6日、安倍派の派閥総会が開かれ、それに先立つ幹部会でも会長人事について話し合われた。派閥の事務総長を務める高木国対委員長は、総会後の取材に「5人で今後、派閥を運営していくことが、わが派にとっていちばんいいと提案した」などと話し、それが既定路線のように大メディアは報じている。
「5人」とは高木国対委員長、萩生田政調会長、西村経産相、松野官房長官、世耕参院幹事長のこと。突出した会長候補がいない中、この「5人衆」による集団指導体制への移行が進んでいるように見えるが、実は派内のムードはまったく違うようだ。
幹部会の冒頭、塩谷会長代理が「一周忌を終えたら速やかに新会長を決めたい」と発言すると、今後の派閥運営をめぐって大紛糾。予定時間を大幅にオーバーしてしまったというのだ。

新会長の決め方すら決められず

出席者のひとりが言う。
「世耕参院幹事長が新会長選定について『5人衆で決めたい』と提案すると、ある女性ベテラン議員が『5人衆って何なのよ! そんなのマスコミが言ってるだけでしょ』と声を上げた。別の女性議員も同調して『派閥の正式な機関ではない5人衆で決めるのはダメ』と反対。結局、発言者のほとんどが5人衆の主導をよしとしませんでした」
もとはといえば、安倍派に強い影響力を持つ森喜朗元首相が会長候補として5人衆の名前を挙げ、それにメディアが乗っかっただけ。安倍派内でも後継者気取りの5人衆を苦々しく見ている議員は少なくないという。「幹部会で5人衆への反発が予想外に強いことに驚いたのか、萩生田さんは『われわれも一生懸命やっている。無能と言われては不愉快だ』と反論していましたが、誰も5人が無能だとは言っておらず、この発言はスルーされていました」(安倍派関係者)
最後は高木氏が新会長をどう選ぶかについて来週の幹事会で決めることを提案したものの、これにも「幹事会だけでなく総会で了承を得るべき」などと異論が出て、まとまらなかったという。結局、「新会長をどう決めるかを決める会のあり方を決める」ことすらままならないのが安倍派の現状なのだ。昨夜も5人衆は森元首相を交えて会食していたが、混迷は続きそうだ。これでは泉下の安倍元首相も浮かばれまい。