旧統一教会問題 地方議員も厳正対応を

北海道新聞社説・コラム > 社説
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/741954

旧統一教会問題 地方議員も厳正対応を

10/07 05:00
北海道新聞が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と道内地方議員の関わりを尋ねたアンケートで、道議12人と札幌、旭川、函館、帯広、釧路の市議計27人に接点があったことが分かった。該当する議員は全て自民党系の会派所属で、教団や関連団体の行事に出席していた。選挙支援を受けたケースもあった。教団との関係が地方議員にも広がっていた実態を浮き彫りにした。
教団は霊感商法や高額献金の強要を巡り、裁判でも違法性が認定されている。反社会性が指摘される教団の被害者に寄り添い、解決に尽力するのが議員の役割のはずだ。本来の姿とは正反対の教団との不透明な関係が国民から疑念を持たれ、政治不信を招いている。岸田文雄首相は教団との関係を断つことを地方議員にも徹底させると言うが、党本部から道連に具体的な指示はないという。議員任せにせず、首相と党執行部は地方の自民系議員に対して指導力を発揮するべきだ。
アンケートは道議と人口の多い6市の市議を対象に実施し、道議2人、苫小牧市議1人以外から回答があった。苫小牧では接点のある議員はいなかった。札幌市議では自民会派所属の27人中18人に接点があった。道議も含め関係のあった議員は都市部に目立つ。会合や関連団体の行事への出席が、教団の活動にお墨付きを与えていた恐れがある。選挙でのつながりも明らかになった。道議2人は電話かけや名簿提供といった支援を受けていた。議員側は集票につながり、教団側は政治家との関係を信者らに誇示できる。相互依存関係は教団の免罪符となりかねない。こうした関係がいつ始まり、どのように広がったのか。党本部主導の徹底した調査が必要だ。教団と関係のあった道議のうち半数が解消を明言していない。岸田首相の言葉だけの曖昧な対応が影響しているのではないか。静岡県など10県6市では「家庭教育支援(応援)条例」が制定された。これは伝統的な家族観を重視する教団の理念と合致する。旭川市でも条例制定を目指す動きがあったが、推進団体と教団の関係が明らかになり解散した。
自民党内にはこれまで「家庭教育支援法(仮称)」の制定を目指す動きがあり、党の政策集にも盛り込まれている。方針決定に至る過程で教団の影響を受けていなかったかどうか検証が求められる。

MyComment

安倍元首相の暗殺事件で、自民党及びその関連団体は、暴力が民主主義を破壊すると危機感を表明したが、旧統一教会が自民党を選挙によって乗っ取り、彼らの思い通リの世界平和統一家庭連合の教義を中心に国を乗っ取ろうとしていたことが明らかになりつつある。
これこそ民主主義の危機である。すなわち、国家神道(こっかしんとう)は、近代天皇制下の日本において作られた一種の国教制度、あるいは祭祀の形態の歴史学的概念である。 皇室の祖先神とされる天照大神を祀る伊勢神宮を全国の神社の頂点に立つ総本山とし、国家が他の神道と区別して管理した「神社神道(じんじゃしんとう)」(神社を中心とする神道)を指す語である。王政復古を実現した新政府は、1868年(明治元)、祭政一致、神祇官再興を布告して神道の国教化を進め、神仏判然令で神社から仏教的要素を除去した。その後、政府主導の神道国民教化策が不振に終わると、政府は「神社は宗教にあらず」という論理で、神社を「国家の宗祀」と位置づけ、神社神道を他の諸宗教とは異なる公的な扱いとした。ここに国家神道が成立し、教化など宗教的側面にかかわる教派神道と役割が分担されることになった。
特に近代(明治維新より第二次世界大戦終結まで)において国家の支援のもとに行われた神道を指す名称であり、事実上の国家宗教となっていた。先の大戦が、国民統一の基礎として国家神道を利用したことは明らかでありこれが新憲法のもとで政教分離が謳われたのである。
戦後の自民党が新憲法の「政教分離」を神経質に扱ってきたことは、靖国神社の参拝問題で、その都度中・韓の批判が生じていることからも理解できる。にもかかわらず旧統一教会の支援を受け「政策協定」迄文書で交わしていたことは「政教合体」そのものであり、自民党は憲法違反を繰り返してきたことになる。これこそ民主主義の危機である。合わせて創価学会による公明党支援もある種「政教分離」に違反している。この際宗教団体とのかかわりのある政党はいったん解散させることなくして旧統一教会問題と「政教分離」の憲法順守の解決はあり得ない。