全国霊感商法対策弁護士連絡会が会見

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全国霊感商法対策弁護士連絡会が会見

旧統一教会2世信者の苦悩、政治家との関係が明らかに

公開日:2022/07/13 06:00 更新日:2022/07/13 07:26
安倍晋三元首相が8日、奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した事件。逮捕された山上徹也容疑者(41)の母親は1998年ごろから、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の正会員で、2002年に自己破産していたという。
事件を受けて、11日に旧統一教会は記者会見を開き、「献金は本人の信条に基づく」「(山上容疑者の母親の)破綻の原因は把握していない」とし、2009年以降はコンプライアンスを徹底し「トラブルはありません」などと話した。だが、これに対し、12日に全国霊感商法対策弁護士連絡会が記者会見をし、声明を出した。
連絡会は「今般の卑劣極まりない行為は、いかなる理由があろうとも決して許されない」としつつ、元信者やその家族、二世信者の悩みに接してきた立場として、「(報道が事実だとすれば)山上被疑者の苦悩や教会に対する憤りも理解できる」と語った。     
会見では、旧統一教会がトラブルがなかったと主張する、09年以降の最高裁決定判例などを紹介したり、旧統一教会系のイベントにリモート登壇した安倍元首相の基調演説や、昨年に提出した安倍元首相への公開抗議文、国会議員向けに提出した要望書などの説明を行った。また、現在も印鑑や壺、絵画などの霊感商法による被害が続いているとして、21年の年間の被害総額は3億3000万円に上ると公表。記者らに教団の「聖本」を見せて、「教祖・文鮮明の御言葉が印刷されている。いくらで信者に買わせるか、3000万円です」(渡辺博弁護士)と実情を訴えた。
代表世話人の山口広弁護士も「親の理解を超えた献金行為や合同結婚式が拒否できない2世信者はどれだけつらいものか」と話し、旧統一教会側のコメントは事実に反すると批判した。
政治家と旧統一教会の関係についても、先の渡辺博弁護士が20年以上前としながら「当時国会議員の秘書の経歴を調べたとき、公設私設含めて100数十人規模の信者が務めていました。彼らの少なく無い数が、地方議員になっています」と振り返った。さらに元2世信者の女性(会社員40代)が証言。高校生の頃に母親が信仰し、21歳のときに合同結婚式で祝福結婚(マッチング)した韓国人の夫からDVを受けていたが、周囲に止められてなかなか離婚できなかったことや、脱会後の現在も信者である母親を含め一家離散状態であることを明かした。
信者だったころに、ゴルバチョフ大統領や金日成主席と文鮮明の写真を見て、「大物政治家と教祖が繋がっているのを見せられるとやっぱりメシアだと思ってしまう」と信じてしまう心理を語った。女性は、安倍元首相の祖父である岸信介氏と文鮮明が一緒に写った写真も見せられたと振り返った。