旧統一教会が明かした安倍元首相との“接点”

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旧統一教会が明かした安倍元首相との“接点”

「反訴状」に記された自民党との協力歴史

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/308110
公開日:2022/07/12 13:50 更新日:2022/07/12 14:20
「私たちの友好団体が主催する行事に安倍元首相がメッセージなどを送られたことはございます。ハン・ハクチャ総裁が主導されている世界平和運動に対して、賛意を表明してくださっていた」
安倍晋三元首相が銃撃された事件で「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)が11日、東京都内で記者会見を開いた。日本教会会長の田中富広氏は、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)の母親が教会員だと明らかにした上で、安倍元首相と旧統一教会の間につながりがあったことを認めた。
会場には多くの報道陣が詰めかけたが、旧統一教会側は在京キー局と大手紙以外の参加を拒否したため、報道陣ともみ合いになるなど、一時騒然となった。
山上容疑者が「母親が宗教団体の信者で多額の寄付をして破産させられた」と供述していることに関して、田中氏は「母親が破産していることは知っていたが、その後、高額献金を要求したかどうか、記録上、一切残っていません」と説明。
山上容疑者は安倍氏を狙った理由について「(統一教会を海外から日本に)招き入れたのが岸信介元首相。だから安倍氏を殺した」と話しているとされるが、田中氏は安倍氏の祖父にあたる岸信介氏との関係を「創設者の文鮮明総裁を中心とする平和運動に強い理解を深めて下さった」と説明した。
旧統一教会の創説者、故・文鮮明総裁は1968年、反共主義の政治組織「国際勝共連合」を設立し、長きにわたって自民党議員と協力関係を続けてきた。一方、旧統一教会を巡っては「国際合同結婚式」や「霊感商法」が次々と明るみに出て、日本でも社会問題となった。旧統一教会と安倍元首相は、どのような関係だったのか。
2020年9月に東京地裁に提出された「反訴状」には、自民党と旧統一教会の長い歴史が詳細に記されている。ある大学教授が、自民党の世耕弘成参院幹事長から名誉毀損で訴えられた時、教授サイドが提出したものだ。教授と弁護団が内容をまとめた。
<安倍首相の祖父岸信介氏は、自民党および統一教会の黎明期より統一教会と密接な関係を持ち続けてきた>
<岸信介氏はしばしば統一教会本部を訪れ、教会員を激励する講演を1970年、71年、73年と継続的に行った>
<第2次安倍政権の成立によって、自民党と統一教会の相互協力関係は、岸元首相の意志とともに復活強化されたと言える>
安倍元首相は昨年9月12日、旧統一教会の友好団体が開いた大規模集会に「総裁はじめ、皆さまに敬意を表します」と約5分に及ぶビデオメッセージを寄せるなど、最後まで旧統一教会との関係を断ち切ろうとしなかった。
事件解明のためにも、両者の関係を明らかにすべきだ。