それでもバカとは戦え

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著者 :適菜収作家
近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中

それでもバカとは戦え

“噛みつき維新”にブーメラン直撃 いつも通りにデマカセ恫喝か?

公開日:2022/02/26 06:00 更新日:2022/02/26 06:00
維新が完全に壊れたようだ。全方位に噛みつき、戻ってきたブーメランが見事に直撃した。自称「私人」の橋下徹は、れいわ新選組の大石晃子に対し、名誉を傷つけられたとして訴訟を起こした。大石が橋下府政時代の問題を批判したのが気に入らないらしい。「僕は育児に家事、何もしないですよ。子供は単に玩具感覚の可愛さです。(中略)完全にキム・ジョンイル体制。将軍様ですもん。(中略)僕は子供をつくるまでが好きなのかなあ」と述べる男の「名誉」というのもよくわからないが、橋下は「(大石は)投開票日10月31日の翌日11月1日にやっと当選」などと難癖をつけ、逆に文通費や政務活動費を巡る維新の不透明なカネの動きが次々と発覚した。
菅直人が橋下を「ヒトラーを思い起こす」とツイートした件では、橋下は「ヒットラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度」、松井一郎は「ヘイトスピーチ(にあたる)」などと反応したが両方とも大嘘だった。さらには馬場伸幸が菅に維新からの抗議文を渡したことにより「橋下私人説」が完全に崩壊する。松井の「闇」を紹介したネット番組を浅草キッドの水道橋博士がツイートすると、松井は「法的手続きします」「リツイートされた方も同様に対応致します」と激高。すでに4000件ほどリツイートされているが、松井は全員訴えるのか。それともいつもどおりの口からデマカセの恫喝か。この一連の過程で「民間人からこのように言われて裁判を起こすくらいなら政治家なんか辞めろ。税金の無駄遣いだ」
「人を散々バカにする輩に限って、自分が馬鹿にされたと言ってすぐに名誉棄損と騒ぐんですよ」といった橋下の過去のツイートが注目されたのも面白かった。衆院予算委員会の公述人が「私的な反論」を繰り返したことを正当に批判した共産党の宮本徹に対しては「院の品位を著しく毀損する」。立憲民主の国対対応については「社会的な常識を知りませんよ、あの政党のみなさんは」。
ここまで来ると笑うことすらできない。
大阪の医療崩壊を報じた「報道特集」(TBS系)に対しては維新府議が視聴者の不安をあおるとしてBPOに申し入れを行ったという。BPO案件は大阪のメディアを私物化するコイツらである。
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