スガーリンの独善

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海外から酷評相次ぐ

本家ロシアも認めたスガーリンの独善

公開日:2021/01/22 13:50 更新日:2021/01/22 14:19
洋の東西を問わず海外メディアが相次いで菅首相を酷評している。米ブルームバーグは17日に「日本の感染拡大で菅首相は短命宰相化の様相」との見出しを掲げた記事を配信。施政方針演説も散々の評価で、シンガポールのストレーツ・タイムズ紙(電子版)は19日、「致死的ウイルスの拡散と、自殺や倒産、家庭内暴力などの社会・経済的影響という2つの脅威と、どのように戦うつもりなのか、新しい考えは少なかった」と辛口だ。
各国メディアが一致してコキ下ろすのは「Go To」キャンペーンの停止をなかなか決断できず、後手に回った新型コロナ対策だ。米AP通信は18日、「菅首相は、経済がさらに傷つくことに躊躇し、予防措置を講じるのが遅いと批判されている」と言及。同日の英ロイター通信は菅政権の支持率急落の原因について、「菅首相の行動が遅すぎた」との論評を紹介していた。とりわけ目を引くのが、ロシアの通信社スプートニクの「スガーリン:スターリンを連想させる独善的な歩み」との署名記事だ。リュドミラ・サーキャン記者がロシア極東研究所のワレリー・キスタノフ日本研究センター長をインタビュー。
「日本では独裁者としてのネガティブなイメージが強いスターリンとの比較は、当然ながら菅首相にはプラスにならない」「菅首相は権威主義的という意味ではスターリンには程遠いですが、独善的な首相のやり方は当然、不満を呼ぶ」と指摘。支持率急落は「首相の政策への不満、世論や権威ある学者たちの意見に耳を傾けようとしないことによるもの」と結論づけた。
本家ロシアにまで「スガーリンの独善」と認定されるとは……。これらの酷評をバイデン米新大統領が知れば、日米首脳会談の早期実現は遠のくだけ。世界中から「スガパッシング」が始まりかねない。