「報道の自由」どこへ

日刊ゲンダイDIGITAL 政治・社会 政治ニュース 記事

中村敦夫 末世を生きる辻説法

「報道の自由」どこへ…北朝鮮型の薄気味悪い管理国家に

公開日:2020/12/25 06:00 更新日:2020/12/25 06:00''''
民主主義国家の絶対的条件のうちで、一丁目一番地は「言論の自由」である。それを具体的に実現するには、「報道の自由」が保証されねばならない。米国の第3代大統領トーマス・ジェファーソンは、アメリカの民主主義を確立した政治家として知られる。彼は、「新聞なき政治主導の社会」と「政治なき新聞主導の社会」では、どちらを取るかと質問され、迷うことなく後者を選ぶと答えた。今や欧米では、団体にせよ個人にせよ、政治的発言は自由である。ジャーナリスト、評論家、学者、芸術家などにとっては、心地よい環境だ。
経済的には自由主義であっても、社会的には民主主義でない日本の場合はどうだろう?
明治以来、経済の近代化には成功したが、行政の封建制度を打破することはできなかった。第2次大戦以降は、贈られた民主憲法を抱きながら、その社会的実現に失敗。今日に至っては、再び封建時代へ逆行する思考にとらわれ、試行錯誤のダッチロールを繰り返している。特に安倍政権になってからは、国家の進路を見失い、時代錯誤の明治回帰を主張して、人々を困惑の渦に巻き込んだ。安倍・菅コンビがその強行策として採用したのが、マスコミ支配である。
菅は警察OBを内閣府に引き込み、思想・言論のチェックをさせた。内閣の意思にそぐわない者をピックアップし、官房長官自らが新聞社やTV局に人事の圧力をかけたといわれる。NHKの優秀な女性キャスターは、答えたくない質問を発したというだけで追放された。東京新聞の女性記者はツッコミが鋭いので、質問指名を外された。そして今、NHKニュースウオッチ9のキャスターが飛ばされかかっている。何の権利があって、政治家が放送や報道に介入するのか? 首相になっても、もみ消し、脅かしの癖は抜けないのか?明治から今日に至るまで、日本のジャーナリズムは、自立した情報産業として成長していない。それどころか、国家と二人三脚で、太平洋戦争をあおった戦犯だ。そして現在は、国策協力型の通常企業以外の何ものでもない。
ちなみに、「報道の自由ランキング」は、世界66位の後進国評価だ。気骨のある知識人が結集し、この情けない状況から総力で脱皮しないと、この国は北朝鮮型の薄気味悪い管理国家になってしまう。

コメント


認証コード7274

コメントは管理者の承認後に表示されます。