知事、核ごみ拒否方針

概要調査に不同意へ

道新 08/21 05:00
鈴木直道知事は20日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の候補地を選定する国の調査が道内で進んだ場合、調査継続に反対する意向を固めた。関連法は後志管内寿都町が応募を検討する選定調査第1段階の文献調査から第2段階の概要調査に進む際、所在地の知事らの意見を聴くよう国に義務付けている。知事はこうした法制度を踏まえ、早期に反対姿勢を示すことで、寿都町に文献調査への応募を自粛するよう促す構えだ。
知事は20日、寿都町に隣接し、同町での文献調査に反対する後志管内黒松内町、蘭越町、島牧村の3町村長と会談し、「知事は概要調査移行前に意見表明ができる。今後しっかりとこの問題に向き合っていきたい」と述べた。知事は核のごみの道内への持ち込みを「受け入れ難い」とする道条例の順守を求めており、寿都町で文献調査が行われ、概要調査に進むことの是非について国から意見を求められれば、調査継続に反対する意向を示唆したものだ。寿都町の片岡春雄町長は文献調査(約2年)だけでなく、次の概要調査(約4年)にも意欲を示している。知事は文献調査の実施の是非には法的に関われないが、概要調査に進む際の意見聴取は2023年4月までの鈴木知事の任期中に行われる可能性がある。
核のごみの最終処分場選定の手続きを定めた特定放射性廃棄物最終処分法は、選定調査が進むごとに所在地の知事らに意見を聴くことを国に義務付け、その意見を「十分に尊重しなければならない」と明記している。(松本創一)

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寿都町が核廃棄物の処分場選定について調査第1段階の文献調査と第2段階の概要調査への応募を検討していることを表明した。
道新 8/21よれば、
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分場選定に向けた文献調査に、後志管内寿都町が応募を検討する背景には、町が独自に風力発電所を建設・運営するなどして「稼ぐ行政」を進めてきた片岡春雄町長(71)の、将来の町財政に対する不安がある。今年、コロナ禍に襲われ、観光や水産業を中心に打撃を受けた町を救うには「これしかない」と決断した。ただ、鈴木直道知事が町の調査応募に否定的な意向を示しているほか、地元でも反対の意見があり、逆風はやむ気配がない。」
寿都町長の提言は単なる「核アレルギー」や「風評被害」といった非科学的知見を理由に反対する国民が多い。しかし、一度は止まった全国の原発が徐々に再稼働を行っている現状では、国は原発を今後もエネルギーのbasic電源として中央に据えている。そして今回のコロナ禍による経済の停滞を考えると、何らかの対策を講じない限り、町の存続が危ぶまれる恐れがある。そのうえで寿都町は早くから風力発電を中心としたエネルギーを町の経済発展に努力してきたが、いつになったら泊原発が再稼働できるかすらめども立たない状況の中、2011年の東北大震災による福島原発が安全神話を裏切って、やるべきことをやってこなかったことのしりぬぐいのために、泊原発は休止したまま。北海道は日本一高い電気代を払わされ続けている。また、再生可能エネルギーも豊富に得られるのに、北電はその買取を年々減らして新規電力自由化にも後ろ向きでしかない。
こんな折、泊原発の隣町から核のゴミの調査「あくまで文献調査」への応募を検討していることを表明しただけで、知事が物申すのはいかがなものか。結局自分の任期中に概要調査迄進んだ場合その判断をせざるを得ず、この時には道の条例を遵守しなければならない。鈴木知事は先延ばしを考えているとしか見られない。
鈴木道政がこのような反対を言い出すのなら、さっさと泊再稼働を認めない宣言をしたらよい。そして寿都町の風力発電事業を町の基幹産業として支援するのが知事としての行動だろう。
さらに全国原発の最終処分地の調査さえ進まないとなると、福島原発廃炉によるの核のゴミはたまる一方となり、原発の寿命40年を延長するなどまでして先延ばししている、原子力行政は後世に莫大な負の遺産を残すことになる。原発技術者が核の無害化ができないというならば、地下に安全に保管するしかないのではないか。早くその調査研究を行うべきである。