ストップ3選の秘策

安倍首相は「内乱罪」で刑事告発される

2018年8月12日 日刊ゲンダイ

「安倍晋三首相の顔を見て、何か悪いことをするんじゃないかと言う戦争経験者もいるが、日本の平和主義は揺るがない」細田博之自民党憲法改正推進本部長は講演でこう言ったらしいが、「するんじゃないか」ではなく、安倍首相はとっくに“悪事”に手を染めている。
2012年の第2次安倍政権誕生以降、集団的自衛権の行使容認や武器輸出三原則の見直しなどを次々と閣議決定。国民の反対の声を無視して戦争法や共謀罪などを強行成立させてきたからだ。
総裁3選が実現すればますます調子に乗って悪行をエスカレートさせるだろう。だが、そんな安倍首相を権力の座から引きずり降ろすための驚くべき秘策が進行している。安倍首相の刑事告発である。

「8月中にも検察庁に告発状を提出するべく準備を進めています」
自信タップリの表情で語るのは、衆院事務局に33年間勤めた元参院議員の平野貞夫氏だ。平野氏によると、安倍政権は国権の最高機関である国会を軽視して独裁的な運営を行っているばかりでなく、モリカケ問題で明らかになった通り、権力を私物化。日本の民主政治を「破壊」してきた。これは刑法77条(内乱罪)で規定する〈国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者〉に該当する可能性があるというのだ。
 内乱罪の成立には組織的な集団による「暴動」が欠かせないが、総理・総裁を頂点とする「政権与党」という巨大組織が官僚人事に関与し、「公文書改ざん、隠蔽」などの不正行為を行わせたのではないかという行為は「脅迫」に近い圧力であり、これを「ソフトな暴動」と捉えれば違法性は明らかだという。
なるほど、確かに条文にある〈国の統治機構を破壊〉〈憲法の定める統治の基本秩序を壊乱〉の文言は、安倍の政治姿勢そのものと言っていいだろう。実際、大島理森衆院議長も安倍政権の政権運営は「民主主義の根幹を揺るがす。立法府の判断を誤らせる恐れがある」として異例の注文をつけているのだ。
平野氏がツイッターで、安倍首相の刑事告発を示唆すると、わずか2日で20万件を超えるリツイートがあったというからすごい反響だ。
「もはや安倍政権をこのまま放置しておくわけにはいかない。弁護士や憲法学者らから『応援している』とメッセージがどんどん寄せられていて、私としては、この告発が国民運動を巻き起こすきっかけになってほしいと考えています」(平野貞夫氏)
戦後の日本が築き上げてきた国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を破壊しまくる安倍首相を叩き潰すのは今しかない。

My comment

自民党総裁選挙は、安倍氏と石破氏の一騎打ちの様相となってきたが、大勢は安倍3選の情勢である。しかし、これは自民党内の派閥所属の議員が選挙後のニンジンを期待しての表面的な情勢であると信じたい。
安倍政権がとっくに国民から見放され、安倍を支持するのは日本会議とモリカケにみられる安倍の権力を利用しておこぼれをせしめようとする、ハイエナやジャッカルのような、官僚・財界・私学教育界のあさましい連中だけであることに気付いていない。
石破氏の総裁選挙出馬宣言を見聞する限りでは、まっとうな政治姿勢がうかがえる。このまま安倍の無投票再選を許しては、もはや上記日刊ゲンダイの記事のように、権力の乱用を糾弾する司法に待つよりない。まずは心ある自民党国会議員は所属派閥と自己の存在意義をじっくり考えて行動してもらいたい。救いは総裁選挙は無記名投票である。党員・自民党議員にはまだ自浄能力があると期待する。心ある議員のまっとうな投票権行使を国民は見ている。
今になって安倍は今まで出来もしなかった拉致問題の解決や北方領土返還を持ち出し、いかにも自分が解決して見せるような出馬の意義を言っているが、いずれも国民には見切られている。原水爆禁止条約にさえ賛成せず、被爆者には「保有国と非保有国の橋渡し」をするなどという詭弁にはモリカケにみられる嘘八百が透けて見える。国民はだれも信用していない。たのみのアベノミクスも低金利で金融機関が疲弊し、一向に物価上昇と内需拡大を云ってみても、もう絵にかいた餅であることは明らかである。
石破氏の提案のように今一度、日本の100年先のあるべき姿を議論することが喫緊の課題である。
9条に自衛隊を明記するような姑息な憲法改正など急ぐ必要など何もない。安倍の政治信条かもしれないが、祖父から教育された三つ児の魂百までの馬鹿の一つ覚えの首相を3選したなら、自民党は早番国民から支持は得られなくなることを肝に据えよ。