誰が国民を守るのか?

経団連会長「国際社会の平和と繁栄に貢献を」

9月19日 5時42分 NHKニュース

安全保障関連法が成立したことについて経団連の榊原会長は、「国民の生命や財産を守ることは国の最も重要な責務だ。わが国を取り巻く安全保障環境は一層、厳しさを増している。このような中で国会において長時間にわたり真剣な議論が行われ、安全保障関連法が成立したことを歓迎したい。今後、わが国が積極的平和主義のもとで、国際社会の平和と繁栄にこれまで以上に貢献していくことを望む」というコメントを発表しました。

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ついに集団的自衛権行使への道を開く安保法制が成立した。
真っ先に歓迎を発表した経団連こそ、この法整備推進の影の主役であることは間違いない。
世界を相手に武器弾薬を売り、軍需で富を築くやり方は先の開戦の経過と似ていないか?
永久に右肩上がりの成長などあり得ない。それを投資家や資本家のもとで、金儲けにのみ狂奔する経団連がどれほど日本社会を破壊して来たかしれない。彼らの言い分を豊富な資金力で買われた自民党の代議士がこれらを推し進めている政治はよくなるはずもない。

口を開けば政府も経団連も「国民の生命や財産を守ることは国の最も重要な責務だ。」と言ってはばからないが、国が守るのではなく金を出して自衛隊員の命を買うという感覚なのだ。
少なくとも、集団的自衛権は自衛隊員が自国の自衛のために命を犠牲にするのではなく、たとえばアメリカの国民のために命を差し出せと言っているに過ぎない。
駐留する米軍であれ、やはり日本のために犠牲になるとは思っていない。中国・ロシア・北朝鮮への米国の防波堤の意義しかない。そのための米軍駐留である。日本を防衛するためではなく米国の必要によるものである。しかも、多額の駐留費用を払ってもらうのだからアメリカに都合の良い安保条約に間違いない。
そのアメリカと共に自国以外の戦争に加担することは決してやってはいけないことだ。

この数か月国民に目を向けさせたこの安保法案は今後,違憲の訴訟が始まるだろう。
少なくとも、一内閣が解釈変更で専守防衛であった国是を捻じ曲げ、集団的自衛権行使を可能にするこの法案は、成立後であっても決して認めてはいけない。来年の選挙で示さなければこれが確定してしまう。そうでなければ、再び憲法解釈変更で国の都合の良い、法案が出てくる可能性さえある。
例えば、憲法25条の
1.すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
を社会情勢が変わったといって変えていいものではないことは自明の理である。

今回の安保法制は憲法改正から始まるのが本筋である。これを怠った政府は重大なミスを犯した。
安倍首相は来年の参議院選挙で、国民が判定を下し、この違憲法案を抹消しなければならない。

多くの国民の違憲判断を無視して成立させることが可能だった背景は、先の消費税増税延期(やめたのではない)というニンジンをぶら下げただけで衆議院の圧勝を得た。安保法制など何の論点でもなかった。体よく国民をだましたのである。また、安倍ノミクスというわけのわからない経済論を振り回して国民をだますという大罪の上に、この法案が成立したことを、決して忘れてはならない。