定数削減より無給制に

道新 「寒風温風」 2014.08.10
にこんな記事が載った。
この東大雪日記でも、再三取り上げている、地方議会の腐敗と議会の存在理由について、わたくしと同意見の記事であるので紹介しておきたい。
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不祥事続く地方議員

 「定数削減より無給制に」

 最近は地方議会が熱い。もちろん、いい意味ではない。東京都議会のセクハラやじ問題にあきれたのもつかの間、兵庫県議会の野々村竜太郎議員=7月11日辞職=が2013年度に195回もの日帰り出張をしたとして、政務活動費から約300万円を支出していた不明朗な問題が判明した。

 事の真相以上に野々村氏の釈明会見における常軌を逸した号泣ぶりが有名になり、筆者も正直、あの奇声には恐怖を覚えたが、不正の横行が構造的な問題ならばぜひ正さねばならないだろう。

  無効票大半が白票

 ほかにも、山口市議が万引や覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕され、欧州視察の際に国際線機内で他の乗客と口論した道議が辞職。元神奈川県議も違法なドラッグを所持したとして薬事法違反容疑で逮捕された。

 ここまで不祥事が続くと、元から問題のある人間がたまたま議員になったのか、はたまた地方議会に人間をおかしくする魔物がすんでいるのか分からなくなってくる。

 だが最も深刻なのは、青森県平川市長選をめぐる公選法違反事件だろう。定数20人の市議のうち15人が逮捕されたのだから驚きだ。市議の補欠選挙で投票率は4割を切った。報道によると、無効投票数は過去4年の平川市関連の選挙では最多。しかも無効票の過半数を白票が占めたというから、市民の心中はいかばかりかお察し申し上げる。

 現在、都道府県議会と市区町村議会の議員定数は計約3万4千人。
このような事件が起きるたびに議員数の削減を求める声は大きい。一方で、あまり減らすと議員1人当たりの権限が強化され過ぎる、住民の多様な意見がくみ上げられにくくなるとの反対意見もある。

 学生や母親が討議

 
 筆者は、議員数の削減以上に現行の高すぎる地方議員の報酬を減らすことが重要で、無給ボランティア制を導入してはどうかと考える。これほどまでに不正が横行し、肝心の住民へのまなざしが欠落した議員ばかりが目立つのは、私欲や利権争いが先行しているからだ。いっそ、志だけで集まる人たちのみで政策討議をしてみてはどうだろうか。
荒唐無稽と思われるかもしれないが、実は先進諸国では珍
しくない。
 
例えば、住民自治の理念が浸透したスイスでは住民の代表者が生業とは別に夜間、議会に集う。英国やフランス、スウェーデンなどでも地方議員は原則無給だ。
以前、報道されたスウェーデンの地方議会では、学生や乳児を抱えた母親らが議員として討議に参加している姿が印象的だった。醜聞だらけの日本の地方議会よりも、よほど住民の現実に近しい姿に見えたが、いかがだろう。

来春には統一地方選を控えており、頻発する不祥事を契機に、在住地域の議会の在り方に関心を持つ人が増えることを期待したい。

水無田 気流
(みなした・きりう=詩人・社会学者)
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アベノミクスで大手企業のみが恩恵を受け、地方の実感は未だ不況のど真ん中。
当地方では死活問題の、電気料金の値上げとガソリンが160円をはるか超えて高止まりしているというのに、先に決まっている暫定税率の廃止どころかその議論さえされていない。
かと言って、地方議会からその声を届けようとしても、代表として選ぶに不適格な候補者ばかりで、肝心の国民・住民の意見を託す候補者がいない。

自ずと棄権か白票となっていることを主権者である国民がしっかりと見極める必要がある。

地方議会の活性化などのレベルではない。活性化する力のない地方議会は一旦その仕組みを見直す必要がある。