教員の臨時免許 9000件余りに上る

先日、黒田日銀総裁が、人手不足が成長戦略の足かせになるとの懸念を表明した。

アベノミクスとやらで、デフレ脱却にやっきの政府・日銀。ようやく円安とだぶつく資金供給によって、
設備投資やら雇用の拡大などがみられ、一見成長戦略が成功したかのように思えるが、
肝心の人材不足は深刻である。
そのせいか、タイトルのような報道があった。
以下その記事である。
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過疎化などで教員が確保できず、専門ではない人でも授業を行えるよう臨時で免許を与えたケースが、
平成24年度に全国で9000件余りに上ることが文部科学省のまとめで分かりました。

教員の免許は、小学校や中学校など学校の種類ごとや教科ごとに取得しなければなりませんが、
やむをえない場合は都道府県教育委員会が臨時で免許を与える制度があります。
文部科学省が平成24年度に授与された臨時免許を調べたところ、小学校で3001件、
中学校で2331件、高校で2849件など合わせて9214件に上ったことが分かりました。
前の年度より100件ほど減ったものの6年連続で9000件を超えています。
このうち中学校では数学の臨時免許が395件と最も多かったほか、理科が296件、
外国語が264件と、主要5教科も専門ではない人が授業を行っているケースが少なくありません。
文部科学省は「望ましくない」として、臨時免許を安易に与えないよう全国の教育委員会に通知しています。
しかし過疎化が進む地域では限られた人数の教員で複数の教科を担当せざるをえない学校があるほか、
都市部の教育委員会の中からも「必要な教員の数を確保できない」という声が上がっており、
臨時免許が大幅に減少する見通しは立っていません。
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特に、教員の人材不足がこれほど深刻な理由は、教員免許所得者の絶対数が不足していることと、
教員は免許取得者しか採用しないという閉鎖社会を作り上げたことに、文科省が気づいていないからである。
その上で、臨時免許は好ましくないとは・・・

先に、厚生労働省が年金支給開始年齢を70歳あるは将来75歳に引き上げるような趣旨の発言をしている。

特に、経験が大きくものをいい、かつその教育レベルの高い教員は本人の希望で年齢の制限なく採用すればよい。

特に、大学・高専などの教員はほとんどが修士・博士取得者であり、教員免許取得者よりもむしろ教育力は上位にある。

教員の定年制は、せっかくの教育力をみすみす放棄し、しかも年金受給者に追いやっていることを、
厚生労働省と文科省でじっくり検討してみることが必要なのではないだろうか。

かくいう私は、予備校で数学を教えているが、義務教育の基礎学力が我々の時代では考えられないほどレベル低下している。

中学の数学が単なる計算方法しか教えていないから、数学的・論理的に考えることができず、
卒業後1,2年するとすっかり高校数学は記憶になくなってしまう。

高校の単位認定はどのようになっているのか、文科省はどこをチエックしているのだろうか。
これでは多分大学の単位認定も非常に怪しく、卒業生のレベルも推して知るべしである。
企業はこのあたりの事情をよく知っている。そのために日本人学生よりも外国人留学生を採用するのである。
それはバイリンガルであること以上に、学生の質が違うのである。
高専のようにJABEE認定教育プログラムの厳しい卒業要件を参考にしてもらいたいものである。