GoToトラベル再開で経済効果あり?

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著者 室井佑月作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」

適当なことをいうなっ

公開日:2021/04/09 06:00 更新日:2021/04/09 06:00
『恐れていたら何もできない。みんなが家に引きこもっていたら、日本の経済が止まってしまう。経済効果がある』(二階俊博・自民党幹事長)
先週につづき、また二階氏の発言を取り上げる。これは、4日放送のBSテレ東番組に二階氏が出て、『GoToトラベル』を再開すべきだとの話をしたときの彼の言葉。

経済効果がある? 適当なこというなっ。

新型コロナウイルスの感染対策は、頼みの綱のワクチン普及が遅れに遅れている。検査をして、無症状陽性者や、新たな変異株についてを考えなきゃいけないのに、その数はまだまだ足りてない。コロナが広まって一年が経つが、情けないことに、コロナ感染症対策、政府はまだまだあたしたちの意識頼りだ。その中で、聖火リレーからはじまる東京五輪を強行しようとしてるのだ。でもって、『GoToトラベル』まで再開したいとは。
いうまでもないが、ウイルスは閉じ込めないといけない。密になる機会を、勧めてどうする?
こんなことをやっていれば、感染者が増え、緊急事態宣言、感染者が増え……のくり返しになる。一瞬の経済効果とやらは、長く安定した経済効果にならない。むしろ、逆だろ。それでも二階氏が『GoTo』を再開したいのは、旅行団体から献金をもらいたいから。『GoTo』事業で血税をまわし、その褒美として、献金をもらう。パーティー券なども買ってもらう。選挙の応援もしてもらう。そして、「恐れていたらなにもできない」などと、放言を吐く。国民を守ることより先に、私腹を肥やそうとする人が、政権与党の幹事長。
人としては、下の下だろう。卑しいといっていい。
いつまでこんな人を、のさばらせておくんだろう。それが今の日本のヤバさの元だと、あたしは思う。

My Comment

まっとうな正論。
安倍・菅コンビによって官僚機構は忖度政策に豹変し、安保法制・森加計問題・IR法案・水道民営化等々自民党やその支持団体の思惑通リに政治を動かして来た。首相が信頼できないような、うそのつき放題とコロナの無策ばかりが目に付く嘆かわしい日本の政治家連中に国民は愛想を尽かせている。政治をしっかり批判し自ら考えようとしない、思考停止の国民にその責任の一端がある。大多数の国民が東京五輪は無理だとわかっていても、中止を決断することもできない首相は、その本質に国益や国民に真摯に向いていない政治家としての基本が欠落している思考の持ち主であることは明らかである。そのうえさらに2050年までのカーボンフリーなど誰もその達成を見届けることのできないような無責任な政策を臆面もなく打ち出す。これに反論すらできない、学者・科学者・研究者もすべて金で支配されている。ガースや二階は失敗しても辞職すればよいが、国は存続し続けるのだ。破壊された国を建てなおすには、時間も金もかかることを主権者はしっかりと考えなければならない。