「成し遂げた」のは国家と社会の破壊

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適菜収作家
1975年生まれ。作家。近著に「国賊論 安倍晋三と仲間たち」、「ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳した「キリスト教は邪教です!」、「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体 」など著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

それでもバカとは戦え

安倍政権が「成し遂げた」のは国家と社会の破壊

公開日:2020/08/29 06:00 更新日:2020/08/29 06:00
安倍晋三の首相連続在職日数が24日で2799日となり憲政史上最長となった。安倍は「政治においては、何日間在職したかでなく、何を成し遂げたかが問われるんだろうと思うが、この7年8カ月、国民の皆さまにお約束した政策を実行するため、結果を出すために一日一日、その積み重ねの上にきょうの日を迎えることができたんだろうと考えている」とコメント。
え?
どこのパラレルワールドの住人か知らないが、成し遂げたのは社会の破壊くらいだし、国民との約束を守らなかったことが現在問題になっているのにね。自民党は2017年に党則をねじ曲げ総裁任期を「連続3期9年」に延長したが、二階俊博も甘利明も麻生太郎も安倍4選に言及。永久に安倍を担ぐ算段だったのかもしれない。しかし、現実世界ではそれは無理。
8月17日、東京・信濃町の慶応大病院を安倍は訪れ、約7時間半滞在。同24日にも再び病院を訪問した。安倍周辺は「前回の続き」と説明したが、持病の潰瘍性大腸炎が悪化したという説や、検察の捜査(公職選挙法違反)から逃れるための入院の準備といった説も流れた。
こうした中、SNSでは「さっさと死ね」といった類いの意見が散見されたが、乱暴なことは言ってはいけない。病気になったのは安倍の責任ではない。それに今、死んだら逃げ得だ。一連の「安倍晋三事件」の追及がうやむやになる可能性もある。安倍が7年8カ月で日本に与えたダメージは凄まじい。北方領土をロシアに献上し、アメリカからはガラクタの武器を買い、拉致問題を放置。国のかたちを変えてしまう移民政策を嘘とデマで押し通し、森友事件における財務省の公文書改ざんをはじめ、防衛省の日報隠蔽、厚生労働省のデータ捏造などで国家の信用を地に落とした。安倍は、水道事業の民営化や放送局の外資規制の撤廃をもくろみ、「桜を見る会」には悪徳マルチ商法の会長や反社会勢力のメンバー、半グレ組織のトップらを招いていた。この悪党を支えてきたのがカルトや政商、「保守」を自称するいかがわしい言論人だった。
今、安倍がやるべきなのは無理をせずにしっかりと体調を整え、わが国で何が発生したのか、この先の検証に協力することだ。

My Comment

前回の総理投げ出しが引き金となって、自民党が下野することになったがその後、野党政権が全くの無責任内閣であったため再び国民からの期待を込めた自民党の復活ではあった。
その先頭に立った安倍政権がほぼ8年にも亘って財界・官僚・日本会議のエセ愛国主義をバックにやりたい放題、民主主義の基本を崩壊し、金持ち優遇、拝金主義の横行、詐欺と暴力、貧困を救うどころか弱者は死ねといわんばかりの政策、米国のポチとしてしか働けない外交、北朝鮮問題やら、北方領土の後退、三権分立まで無視して政権にしがみついた安倍内閣に誰も評価は下さない。むしろ首相辞職後も議員を続けるつもりなら、在任中数々の忖度によって免れた責任を、法廷の場で追及されることになるだろう。韓国の歴代大統領が辞任後訴追を受けているが、本人が何度も言ってきた丁寧な説明と責任を痛感しているのなら甘んじて法廷で真理を陳述してもらわなければならない。