自民党は民主主義を目指す政党ではない

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著者:孫崎享外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

日本外交と政治の正体

安倍晋三首相を守る自民党 民主主義を目指す政党ではない

公開日:2020/08/14 06:00 更新日:2020/08/14 06:00
世界の政党の歴史を見ると、しばしば政党の名と実態とが逆のことがある。ナチス・ドイツ時代、ヒトラーの指導した政党は「国家社会主義ドイツ労働者党」だったが、社会主義と労働者擁護からは程遠い。日本にも「自由民主党」と称する政党がある。今の政権党である。この政党もまた、果たして「自由」と「民主(主義)」を真に追求しているのかと疑問に思う。ところで日本では今、新型コロナウイルス感染対策が極めて重要である。感染対策は難しい。ソーシャルディスタンスが求められ、感染拡大を抑制する要請がある一方で、できるだけ経済社会活動を平常通り運営し、経済悪化をもたらさないという要請があるからだ。この2つをどのように調和を取るのかについて、最大の英知と討議が必要である。
こうした中、国民は国会で活発な論議が行われることを望んでいる。TBSは最新のJNNの世論調査をもとに「80%が臨時国会の早期召集を求めている」と報じていたが、政府・自民党は一貫して早期召集に反対している。共同通信は、与野党幹部が臨時国会の召集をめぐって議論したNHK番組を取り上げ、憲法53条に基づく早期開会を求める野党に対し、自民党の稲田朋美幹事長代行が<「(召集までの)合理的な期間を判断するのは内閣だ」と述べるにとどめ、事実上拒否した>と報じている。
我が国は民主主義国家である。そして、それを表明する憲法を持っている。この憲法では第41条「国会は、国権の最高機関である」、第53条「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」とある。繰り返すが、議員の4分の1以上の要求があれば議会を開かなければならないのである。残念ながら、日本の政権党「自由民主党」は、その政党の掲げる理念「自由主義」と「民主主義」をないがしろにする党になってしまった。では、この政党は何を目指す政党になっているのかといえば、安倍晋三首相を守る政党である。安倍内閣が行う政策について、批判を浴びないようにするための政党である。自民党の各議員、そして各界で自民党を支持する人々は、今の自民党が民主主義を守らない政党に堕落している状態をいつまで黙認しているのだろうか。

My Comment

安倍晋三の自民党は愛国主義、極右の日本会議をベースに置く帝国主義回顧を目的とする政党である。民主主義をうたいながら1党独裁の中国や北朝鮮と何ら変わらない方向へと進んでいるように見える。核兵器廃絶に持つ国、持たざる国の橋渡しをするなどと言い逃れをいい、米国共和党トランプの米国ファースト主義に対して、同盟国として何らの発言もせず、唯々諾々と安保条約を受け入れている国に、民主主義をうたう根拠などさらさらないのだ。敗戦によって帝国主義から民主主義へ移行した日本国憲法によって大いなる復興を果たしたことを考えれば、憲法改正などもってのほかである。国民が現憲法について改憲する必要性があるなら初めて議論ができるのであって、少なくとも安倍晋三の改憲論と主権者の意識には相当の乖離がある。ましてや数々の私利私欲にまみれた政策や自らの不祥事を民主主義を踏みにじる憲法解釈で生き延びてきた安倍晋三にこれ以上の政権をゆだねるわけにはいかない。

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