安倍政権と閣僚は歳費、ボーナス返上を

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GoTo混乱の“元凶” 安倍政権

閣僚は歳費、ボーナス返上を

公開日:2020/07/21 15:00 更新日:2020/07/21 15:00
コロナ禍で落ち込んだ消費の喚起を狙った「Go To トラベル」が大混乱だ。都内での感染拡大を受け、安倍政権が旅行代金割引の対象から「東京発着」を除外すると、予約のキャンセルが殺到。「キャンセル料を補償しない」との政府方針が批判されると、一転「補償する」と修正した。ところが、今度は「キャンセル料補償はおかしい」とSNSで大炎上。政府の失態に税金投入は納得がいかないということだ。安倍政権は一体、どう落とし前をつけるのか。
菅官房長官は20日、会見で「業者への働きかけや利用者への対応など必要な対応を早急に行っていきたい」と話し、キャンセル料の補償を検討すると表明。これにSNSは〈他人の旅行のキャンセル料を負担させられるとは思いませんでした〉〈国がキャンセル料を補償するのは明らかにおかしい〉などと大荒れだ。中には、〈国会議員の給料からキャンセル料お願いします〉といった厳しい意見も上がる。もともと、都内の感染拡大を受け、「やめるべき」「延期すべき」の声が広がっていたのに、22日にキャンペーンを強行しようとしているのは安倍政権だ。混乱を招いた張本人たちに「補償費用を出せ」と求めるのは自然な流れだろう。

首相と政務三役で計30億円

何しろ、安倍首相をはじめ政務三役は“高給取り”がズラリ。国務大臣19人に副大臣25人、政務官は27人だ。国会議員は歳費の他、期末手当(年2回、今年6月支給分は約320万円)、月100万円の文書交通滞在費などをひっくるめた「年収」は約4000万円とみられている。
さらに、総理大臣の6月の期末手当は577万円、国務大臣は421万円で副大臣404万円、政務官は344万円と“ヒラ”の国会議員より好待遇。12月支給分も6月分と同等と仮定して計算すると、首相以下72人の合計額は実に29億7848万円にも上る。その他、自民党議員が代表を務める政党支部には、党本部から年間計1200万円程度(2018年分)の政党交付金が支給されている。全て原資は国民の税金だ。
そもそも、「Go To」のキャンセル料の扱いは二転三転だった。政府が「東京発着」除外を決定後の17日、赤羽国交相はキャンセル料を「補償しない」と明言。ところが、同日に公明党の石田政調会長が「補償について考えていかねば」と発言し、19日に自民党・岸田政調会長が同調したことで「補償」の方針が決定した。方針ブレブレな上、高齢者や若者の団体旅行を割引の対象から外すとした一方で、修学旅行は対象に含むというからワケが分からない。旅行業界関係者からは「どう線引きすればいいのか」「客に説明できない」といった悲鳴が上がるほどだ。
「政府が方針を変えるごとに問題が起きていますから、代金割引を利用できると思った利用者や旅行会社に、キャンセル料を補償するのは当然です。しかし、政府が起こした問題が原因ですから、利用しなかった国民から『なぜ税金で賄わなければいけないのか』と異論が出るのも当たり前。『身銭を切れ』という意見は理解できます。本来はトップが辞任してしかるべきでしょう」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
「責任はある」と言いながら一度も責任を取ったことがない安倍首相がトップの政権だ。今回の一件で「身銭を切る」なんて良心どころか、責任すら感じていないのだろう。 

My Comment

私も同意見だ。
コロナ禍への政府の対応ミス・判断ミスがこれほど多岐にわたって表れた事象は聞いたことがない。
①中国武漢での新型コロナが人・人感染するとの情報は12月末からわかっていた。②水際対策と称しながら何ら具体的対応が取れなかった厚生労働省。③クルーズ船での感染蔓延を防止できなかった。④保健所によるPCR検査を極端にハードルを高くした。④中・軽症者の隔離が不十分。⑤介護施設での発症に対して施設内での隔離を進めた。⑥小中学校の休校について準備期間もなく教育機関への周知もなくいきなり開始されたこと。⑦安倍のマスクの全員配布の混乱と高額費用。⑧オリンピックの中止ではなく延期としたこと。⑨一律給付金をめぐる混乱。⑩失業給付や業務自粛に対する給付の遅れ。⑪PCR検査のハードルは依然として高く、潜在患者が多数発生している。⑫GO TOトラベルの時期尚早(コロナが収束してからとの方針だったはず)。⑬先走った実施の混乱で予約キャンセルを税金で負担する。等々数え上げればきりがないほど、政府のコロナ対策は一貫性と首相個人の判断が甘い。これだけの混乱解消のために税金を湯水のごとく使うのはやめてもらいたい。「責任はある」と言いながら一度も責任を取ったことがない安倍首相がトップの政権だ。今回の一件で「身銭を切る」なんて良心どころか、責任すら感じていないのだろう。
せめて国民に謝罪するなら、自らが主権者から委託されたまっとうな政治ができなかったわけだから、これは委託費用としての歳費は全額返上して当然である。あまりにも国民をなめ切った安倍晋三をこれ以上首相として認めておくことはできない。政党政治は多数政党からの互選による首相だから、連帯責任は国会議員すべてあることを指摘しておく。