年金8兆円消えた

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年金8兆円消えた…姑息GPIFが発表

「今後失う」衝撃の数字

公開日:2020/07/05 06:00 更新日:2020/07/05 06:00
ただでさえ不安が広がっているのに、国民の年金はどうなってしまうのか。公的年金の積立金を運用している「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)が、運用に失敗し、巨額な損失を出していたことがわかった。きのう(3日)GPIFが発表した。GPIFによると、2019年度の運用実績は、8兆2831億円の赤字だった。リーマン・ショックのあった08年度に次いで過去2番目の損失額である。運用利回りはマイナス5・20%と過去3番目に低かった。
GPIFは国民の年金保険料約150兆円を運用している。損失額が8兆円に膨れ上がったのは、「アベノミクスは成功している」と演出するために、株を大量に買っているからだ。従来、GPIFが株式投資するのは全体の24%だった。国民の年金財源に穴をあけないために“安全確実”な運用に徹していた。ところが14年、安倍政権は“ハイリスク・ハイリターン”投資に転換し、株式投資の比率を50%(国内株25%、外国株25%)に引き上げてしまった。コロナ禍によって、世界中の株価が下落し、その結果、GPIFの運用損も膨れ上がってしまった。
このままGPIFが運用に失敗し続けると、国民は年金支給額を減額される恐れがある。安倍首相が16年2月、国会で「想定の利益が出ないなら当然、支払いに影響する。給付にたえる状況にない場合は給付で調整するしかない」と明言しているからだ。
しかし、いまでも年金支給額は低いのに、これ以上カットされたら、老後の生活は成り立たなくなる。すでに3月の時点で、国会でGPIFの巨額損失を指摘していた山井和則衆院議員がこう言う。
「GPIFが姑息なのは、野党が国会会期中に『損失額を公表すべきだ』と迫っても無視し、閉会後に公表したことです。どうして会期中に公表しなかったのか。もし、会期中に8兆円の損失が明らかになっていたら、国民の前で議論できたのに、無責任ですよ。GPIFはきのう、リーマン・ショックのような状況になったら、損失額はどうなるのか“ストレステスト”の結果も公表しています。会計検査院から要請され、やっと公表した形です。ストレステストの結果は、衝撃的です。なんと、損失額は60兆円に達すると試算しているのです。リーマン・ショックの時でも10兆円だったのに6倍です。リスクの高い株式投資への割合を高めた結果です。GPIFは、リーマン・ショックの時のように、株価はすぐに元に戻るとしていますが、コロナショックは、リーマン・ショックと違って、第2波、第3波の可能性がある。世界中の株価も2度、3度、下落する恐れがある。非常に心配です」
国民の年金資産は、どこまで減るかわからない。

My Comment

「年金積立金管理運用独立行政法人」(GRIF)が運用に失敗し巨額の損失を生じたとしても、この行政法人には責任担保はできない。厚生労働省からの天下りの官僚が担保責任もなく漫然と運用してその責任も取らないような法人に国民の大切な財産を預けることは納得できない。我々が厚生年金や共済年金を長年かけ続けた財産をこのような法人に任せる政治のやり方に大反対である。
高度経済成長のさなか、厚生年金の掛け金があまりに余った結果、各地に保養施設や療養施設に莫大な投資をして建設した施設も運用赤字になると、2足三文で民間法人に売り渡し年金原資を減らし続けた厚生労働省が仕組んだ大失策の事態をすでに国民は経験している。
運用がプラスであるときには何の問題もないが、運用が株式投資であってもともと不安定なものである。このような財産運用には絶対に赤字を出さない資金運用が求められる。高級官僚が天下って片手間にやれるほど金融資産運用は簡単なものではない。ましてや赤字が許されない条件では益々ハードルは高い。即刻、「年金積立金管理運用独立行政法人」を解散させるか、この行政法人の職員は赤字補填の義務を負うことを明記すべきだ。

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