勝てば何をしてもいいのか

舞の海氏白鵬の肘打ちに苦言/九州場所、

2019/11/24 16:24

大相撲九州場所千秋楽(24日、福岡国際センター)NHKでテレビ解説を務めた舞の海秀平氏(51)=元小結=が、史上最多を更新する4場所ぶり43度目の優勝を決めた横綱白鵬(34)に苦言を呈した。
白鵬は12日目、小結遠藤(29)に対し、左手で張って、相手の顔面を右腕の方向へ向けさせそこを肘で狙い打ち。さらに強烈な右張り手を食らわせた。あまりの衝撃に、遠藤はその場で崩れるように両手をつき、支度部屋では無言のまま、鼻を覆ったピンクのタオルが真っ赤に染まった。
舞の海氏は「どうしてもあの一番が強烈に印象に残る。かちあげと言えばかちあげだが肘打ち。あれで顔面を骨折して治療に苦しむ力士もいる。勝てば何をしてもいいのか。ファンが何を求めているのか、もう一度、考えてほしい」と注文をつけた。

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一年収めの九州場所は何とも後味の悪い印象がぬぐえない。
まず、横綱・大関・元大関等々休場が多すぎること。決まり手がはたきこみや突き出し、頭を押さえつける上手投げ、張り差し、肘打ち、果ては喧嘩まがいの張り手の応酬。相手を傷つけることを目指しているとしか思えない取り口の横行。意味のない行司の待った。等々数え上げればきりがない。すべては階級制で番付を一つでもあげようとする本人と相撲協会の金もうけ主義がその最大の要因である。
相撲本来の意義や歴史を知る日本人の競技を、金もうけの手段として外国人に開放した協会の判断のミスである。
相撲本来の目的は神の前での奉納相撲であり、隠岐古典相撲にその本来の姿が見える。これが大相撲となって力士が職業化したことで、勝ち負けだけにこだわる現代相撲に変身してしまった。
横審とやらもあまりにも相撲の意義を知らなさすぎるのも一因。もっと舞の海のような苦言を呈する人間の批判や意見を取り入れしっかりその方針を決めたらよい。以前にも張り手や肘打ちはあったと思うが、今はビデオチエックができる。白鵬が一時横審から取り口の批判を受けたにも関わらず、いざこの一番となった時には必ず禁じ手を使う。
横審の指導ははっきりとそれを使ったら反則負けにするくらいでなければますます横行する。
また、立ち合いの不成立を手をつくつかないだけで待ったにするのではなくやるのなら、両手のチョン付けも認めないこと。片手は必ず付いた状態から立ち合いを始めれば、いっぺんに解決する。アマチュアの相撲は手をつかせ行司のはっけよいで始まる。待ったは生じない。立ち合いで後の先という駆け引きもある。白鵬は自分の衰えを禁じ手でカバーしていることは明らか。いつまでも許すと後世に決して良くない先例を作る。
相撲もこんなにけが人が多いと、せっかくの相撲の逸材がいなくなってしまう。
その中で、唯一炎鵬はやっと勝ち越したがこれこそ、今場所のMVPだ。
勝ち負けではなく、3賞のように協会か選定委員によるMVP方式を取り入れてはどうか。汚い相撲で勝っても誰も評価しないという大相撲になってほしい。相撲本来の美しさ、楽しさを失ってはならない。