竹中平蔵の死ぬまで働かせる奴隷システム

多くの国民を死ぬまで働かせる奴隷システムを作り上げた

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
日刊ゲンダイ公開日:2019/10/25 06:00

「たとえば100歳まで生きるとすると、90歳くらいまでは働くことになるでしょう。でも、約70年間1つの会社で働くなんてありえないですから、どこかで転職をすることになる。そうしたときに、専門性が身に付いていない人は生き残れないわけですね。」(竹中平蔵)
これは10月20日配信の president onlineのインタビュー記事。記事の最後の紹介文には一番最初に、経済学者・東洋大学国際学部教授と記されていた。でもこの人、人材派遣会社パソナの会長、といったほうがわかりやすいよね。新たなルールを作り、人を安く便利に使えるようにし、そして自分が儲けた人よ。それを許したのは政府。ルールはこの人だけでは変えられないわけで。
そういえば4日の国会の所信表明演説で、安倍首相はこう語っていた。
「65歳を超えて働きたい。8割の方がそう願っている」
まるで、どうしてもそうさせてくれと国民がいっているみたいな口ぶりじゃ。しかし、現実は違う。国民生活基礎調査では、高齢者世帯の55.1%が生活が苦しいといってる。生きるために、老体に鞭打っても働かねばならない。この国の男性の非正規労働者は、65歳以上では7割を超える。
竹中氏のいうように人生100年、90歳まで働くとして、オーナーでもなければ、やはりどこかで転職せざるを得なくなるだろう。ずっとお勤めしていた人を定年後、パートの安い賃金で使いにくいだろうし。
竹中氏は、専門性が身に付いていたら生き残れるといっているが、世の中の貧しい人が多くなると、中間層はそちらに引っ張られる。つまり、その専門性とやらも安く買い叩かれることに違いない。てか、ずっと健康でいられるかもわからない。この2人がやったことは、多くの国民が死ぬまでには奴隷とされる、そのシステム作りだとあたしは思う。

My Comment

バブル経済がはじけた1990年ころ、これからは低経済成長の中でどのように人生を全うするかが問われた時期に、日本の経済や労働者をさらなる負け組へと追いやり一部の富裕層を作り出すシステムを考え出した稀代の経済ペテン師が竹中平蔵である。またこのような経済政策を推し進めたらどのような結果が待ち受けているか、賢明な人間は見抜いていた。
しかし、不勉強の見本のような小泉純一郎というこれも稀代の詐欺師が小泉劇場を演出し、この竹中平蔵と結託して日本経済を失われた20年に追いやった。さらに悪いことにはこれも稀代の策士である安倍晋三がこれを受けつぎ、竹中平蔵と組んで様々な日本的労働環境を破壊し、一部富裕層の懐を肥やすアベノミクスを日銀黒田と結託して進めた結果が2極分裂を起こした日本の現状である。
更にここにきて、不勉強の親父を見習って政治劇場の演出のみに代議士生活をつぎこんだ小泉進次郎が環境相に重用され、安倍の小泉恩返しを図った。しかし、すでにたった一度の海外派遣で馬脚を現した。いかに勉強不足か思い知ったであろう。小泉の評価はすでに地に落ちた。
親父の小泉は今になって脱原発を声高に叫び、再び小泉劇場を演出し、息子の援護を始めた。政治家がその信念をころころ変えるようではもはや何を言っても始まらない。
日本人は自分に都合の良いように、人間を評価するお人よしな国民であるがためにその人間の本質や言動を美化しがちである。
主権者として、政治家の人間性や本質をしっかりと見極めなければ、かのヒトラーの独裁政治のような悲惨な世界に巻き込まれてしまう。