「令和=命令と平和」

安倍官邸は逆ギレ 英訳まねいた不手際

日刊ゲンダイdigital 公開日:2019/04/03 14:50 

「安倍政権の国粋主義を象徴している」――。新元号「令和」を巡り、海外メディアがこう報じたことに、安倍官邸がカンカンになっている。ナント、「令和」の英訳について、外国人記者にメールで反論したのだ。
1日付の米紙「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)によると、官邸の石垣友明国際広報室長がメールで、「令和」が<order and peace>(命令と平和)と訳されていることについて、「意図した意味ではない」と指摘してきたという。
安倍官邸は、「令和」が「命令」を意味するとセンセーショナルに報じられていることに、かなり過敏になっているようだ。しかし、そもそも、海外メディアが<order and peace>と訳したのは、政府の対応が不誠実だったからだ。
官邸からのメールを受け取ったある外国人記者は、「新元号を世界に発信するなら、事前にちゃんとした英訳資料をつけるべき」と憤っていたが、まさにその通り。海外メディアの“英訳”にイチャモンをつける前に、官邸がきちんとした英訳を用意していればよかったのだ。加えて、安倍官邸の不手際は他にもある。
外務省が「令和」の発表に伴い各国の在日大使に送ったとみられるFAXには、肝心の「令和」の意味が一切記されていなかった。オーストラリア放送協会の特派員は、自身のツイッターにFAXのコピーを載せ、こう投稿している。<新元号を各国大使に通知するFax。「令和」の意味について何の記載もないけど……>
外務省はきのう、慌てて「令和」が「beautiful harmony」(美しい調和)を意味すると発表したが、時すでに遅し。米メディア「デーリー・ビースト」のジェイク・アデルシュタイン記者がこう言う。
「新元号の発表を巡って、安倍政権には、海外への対応が悪かった点が2つあります。まず、エープリルフールに発表したこと。ウソをついてもよいとされる日に国の重大事を発表するのは、国際的にマズイでしょう。さらに、きちんとした英訳資料を用意しなかったせいで、『令』を『冷』と誤解した結果、『令和』を『クールジャパン』と思った外国人記者もいました」。外国人記者の間では、政府による「令和」の説明を額面どおりに受け取ってもいいのか、不信感が広がっているという。
ウソつき政権を信じられなくて当然である。

My comment

改元を国粋主義的発想のもと、これを政治利用とした安倍一味の天罰である。忖度と権力の一元化に伴う悪政をさらに押し進めようとする安倍内閣も自民地方本部と自民党本部の乖離が始まっている。塚田国交副大臣の忖度発言は、嘘つき総理のもとで忖度する議員がついつい本音を漏らしたといってもよい。そもそも忖度は人間の内面の問題だから、推論の域を出ない。これを誰あろう有権者に向かって公言した。副大臣どころか議員辞職に該当する。(4/5 辞任のニュース)
改元の意味についても、わざわざ自らその意味を解説して見せた安倍も、薄っぺらな知識をひけらかして言葉を大切にせず、ごはん論法でのらりくらりと延命してきたことを、大部分の国民は見通している。
海外記者のまっとうな解釈にこれだけ官邸が大騒ぎするのは、ひょっとして、「令和」が本当の意味で、安倍の「命令」に従えという本心だったのではないか?。
そもそも元号は為政者がその内容を説明する必要はない。国民がその元号の意味を自ら理解すべき事柄であって、解説を受ける必要はない。むしろ皇室が自ら決めるべきであり、これを政治利用しようとする内閣に下った天罰である。こんな改元のみで9%も内閣支持率が上がる理由がわからない。これも共同通信社の忖度かと疑いたくなる。
図らずもごはん論法のすり替えが、国会では通用したがまともに日本語を理解する外国人には通用しなかった。言葉をもてあそんで自らの墓穴を掘った安倍内閣も賞味期限が切れた。