「憲法改正の必要はない」

福田元首相が講演「憲法改正の必要はない」

2月28日 17時41分

福田元総理大臣は東京都内で講演し、自民党が憲法改正の項目に掲げる「自衛隊の明記」について、安全保障関連法が整備され改正の必要はないという認識を示すとともに、自民党は改正しやすいかどうかの観点で議論を進めていると苦言を呈しました。
この中で、福田元総理大臣は憲法改正について「来年は皇位継承や参議院選挙があり、そのあとはオリンピックもあって、日程的に忙しい。憲法改正のような大きなテーマをやっている時間があるのか」と指摘しました。
そのうえで、自民党が改正項目に掲げる「自衛隊の明記」について「憲法を改正したい理由の一つに、他の国が行うようなPKO活動を日本ができない状況はよくないということがあった。ただ安全保障関連法を整備したので、当面はそれでいいのではないか」と述べ、憲法改正の必要はないという認識を示しました。
さらに、自民党内の憲法改正論議について「『改正しなければならない』というのが先に来てしまっている。『中身は通りやすいもので』という感じになってしまっていて、本当にいいのかという気がする」と述べ、苦言を呈しました。

My comment

国民の大多数の意向を代弁したものとして、高く評価する。
憲法を改正しなければならないポイントは何処にもない。
政府はすべての口実として、北朝鮮危機を訴えるが外交の失敗がこのような衝突になるわけで、拉致問題一つ解決できない政府に交戦権を付与することはますます混乱させるだけである。
自衛隊が違憲だという人々もいるが、戦後70数年を経てもはや、自衛隊は国民の生命財産を守るための国の政策として予算も与えられ、防衛省迄認められている。
軍隊ではないが平和憲法にあっても、自衛権は認められるのが世界的常識である。今更自衛隊を放棄せよとはだれも望んでいない。
それは自衛隊予算が年々増加している現状を国民は認めていることからも明らかである。
むしろ自衛隊は他国からの侵略などという1時代前の妄想に対する自衛組織ではなく、明らかに自然災害や予期せぬ事故になくてはならない存在になりつつある。
しかも、自衛隊以外に戦後70年を経て憲法上不都合な問題は全くない。平和憲法は日本人が帝国主義から真の民主主義への指針となり、日本人の価値観を醸成してきたものである。
しかも、その政治のかじ取りさえ誤らなければ、世界の一流国としての地位を築いてこれたのもすべて戦後の平和憲法がその基礎であったことを肝に銘じてほしい。
こんな暮らしにくい日本にしたのは政治家がその方向を誤っているからに他ならない。日本の経済力が世界で認められるようになったのは、勤勉な国民性と家族制度であり、終身雇用に裏打ちされた安定した雇用があったからである。
これをもとに設計された年金制度や労働環境をずたずたに切り裂くパート労働の認可がすべての失敗である。企業が厚生年金への加入を嫌い、安易な労働力としてパート労働にシフトするのは当然の成り行きである。すべて政治家の先を読む力と国造りの哲学のなさをうかがわせる。
政治に都合の良い憲法改正など断じて国民が許さないことを再確認するべきだ。