JR北海道に関する質疑

JR北海道経営改善で東日本と合併「一つのアイデア」

道新 03/01 05:00、03/01 11:10 更新

麻生太郎財務相は28日の参院予算委員会で、国が過去にJR北海道に対して行った資金支援について「弥縫(びほう)策」だと指摘し、不十分だったとの認識を示した。同社の経営改善に向けては、JR東日本との合併も「一つのアイデアだ」と述べ、抜本的な方策が必要だとの主張を展開した。
1987年の国鉄改革で鉄道事業の大幅な赤字が見込まれたJR北海道には穴埋めのための経営安定基金(6822億円)が設けられたが、その後の金利低下で運用益が減少した。
政府の当初想定に比べ、過去30年間で総額4300億円が不足し、JRの経営悪化の最大の要因となっている。
麻生氏はこうした状況を踏まえ「JR北海道の努力が足りないと書く新聞記者もいるが、(記者は)経営をやったことがない」と、JR北海道を擁護した。
さらに、安全投資などを名目とする1200億円の無利子融資など国の資金支援についても「弥縫策はやっているが、黒字になるかといえば、そうはならない」と述べ、国の積極的な支援の必要性を強調。「(JR北海道を)やたらと黒字のJR東日本と、JR四国を西日本と合併させるとか。アイデアはいろいろ出ると思う」と述べた。
一方、安倍晋三首相は「北海道における持続可能な交通体系のあり方について、国も道と連携しながら協議に参加し、検討していきたい」と明言。「北海道のみなさんにとってJRは大切な足であることも十分に認識しながら、考えていきたい」と強調した。
ただ、28日に道庁で開かれたJR北海道、道、道市長会、道町村会のトップによる会談に、国土交通省など国の関係者は出席していない。
石井啓一国交相は、JR北海道の経営悪化の要因について「人口減少が進み、マイカーなど他の交通手段、高速道路などが拡充した」などと説明。30年前の国鉄分割についても「適切なやり方だった」とし、同省の公式見解を繰り返した。

 いずれも民進党の小川勝也氏への答弁。(東京報道 高橋尚哉)

My Comment

北海道の代議士から国会でJR北海道の現状を訴えたのは小川氏。数か月前にも国会で追及した。
やはり国への働きかけが何より大切であり、北海道の国会議員はもっともっと現状を発信し続ける必要がある。
国鉄民営化が時代を経てようやく、政府の見込み違いであったことが明らかになってきた。
単なる効率化のみが社会インフラ整備の方向ではない。
日本の食糧基地として、あるいは貴重な観光資源として、ロシアとの関係についても北海道はなくてはならない。
そのためにも、道路整備だけやっていれば公共交通機関が維持できるか大問題である。
高齢化で免許証返納をあたかも交通事故対策や飲酒運転撲滅であるかのような行政の考え方が時代をよく見ていない証左である。
過去の日本的な家族制度や企業の終身雇用、全国へどこからでも国鉄に乗れば行けたし、沿線には国鉄職員や郵便局員、電電公社職員がおりそれが地域の人口減を防いできた。
JR北海道が利用乗客が減り採算が取れないから廃線にするというのは本末転倒もはなはだしい。列車の便数が少なく、利用しようとしてももはや地方では通勤にさえ公共交通機関では不便である。
利用しやすい状況を作り上げることが何より優先されるべきであり、JR北海道が最初から抱えていた問題である。
それを一向に改善できず、いよいよ経営が行き詰まったとして、自治体に廃線を迫るなどもってのほかである。
JR北海道を監督し、公共交通機関として将来も維持できるように指導するのは国交省である。
石井国交省もよくよく勉強してほしい。麻生財務相はこの件に関しては本来の政治家らしい発言であり、評価する。
それにしても高橋知事の腰の重さにはつくづく愛想が尽きる。