公的年金 昨年度5兆円超の赤字

公的年金の運用実績 昨年度5兆円超の赤字

NHKニュース 7月1日 13時15分

公的年金の積立金の昨年度の運用実績は、去年8月の中国経済の減速に端を発した世界同時株安などが影響し、5兆円を超える赤字となったことが、政府関係者の話で分かりました。
公的年金の積立金を運用するGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、昨年度の運用実績の概要をまとめ、政府関係者によりますと、去年8月の中国経済の減速に端を発した世界同時株安などが影響し、5兆円を超える赤字となったことが分かりました。
GPIFはおととし10月に積立金の運用方針を見直し、国債など国内債券の比率を引き下げる一方、国内と外国の株式の比率を引き上げていますが、運用実績が赤字になったのは平成22年度以来5年ぶりです。

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日本のバブル経済が破たんした20数年前に、公的年金の無駄使い(保養施設や健康ランドへの投資で赤字)によって年金財政が破たんし、それまで右肩上がりで年金財政を積み上げた国民の財産を食いつぶした責任さえ負わない厚生労働省が再び年金積立金の利殖に走り5兆円もの赤字を出した。年金運用を仕事とするGRIFは少しの赤字も許されないのだという慎重さに欠ける。
アベノミクスによって、税収upや雇用の拡大などを自慢げに吹聴するが、これらのきっかけは積立金を株式投資に向け株価を吊り上げ、投資家や企業の内部留保を増やしたことにある。巨大な年金積立金を使って市場に金をばらまき、日銀のマイナス金利によりますます市場に金を流し込むアベノミクスは大きなミスを犯している。
政府は口を開けば、年金運用は長期的な視野に立っていると言い訳するが、何の言い訳にもならない。一般の株投資はリスクだらけであり、こんなところで年金財源を運用してもらっては困る。
本業でGDPを増大させるために何が必要かが本来の財政再建であり、年金の構造改革である。