JR改革の末期的症状

「やり方が急」 JR保線業務撤退に幌延、中川町が反発

02/02 10:30、02/02 17:22 北海道新聞記事

【幌延、中川】JR北海道が宗谷線の幌延駅と天塩中川駅から保線などを担当する工務系の全職員を4月に引き揚げる方針を幌延、中川両町に伝えたことについて、両町は「人口減の観点から受け入れられない」と強く反発している。稚内と音威子府、名寄に集約される職員は幌延駅11人と天塩中川駅9人。野々村仁幌延町長と川口精雄中川町長は2日、宗谷本線活性化推進協議会長の加藤剛士名寄市長と対応を協議する。 
両町によると、同社の担当部長らが1月21日に両町を訪れて方針を伝え、理由について「若い職員が多く、集約することで技術継承と業務管理の強化を目指す」と説明。同社は3月のダイヤ改正で宗谷線の普通列車を減便する計画で、両町は「減便対策を検討している最中の急な通告で承服できない」と答えたという。
幌延駅には工務系職員のほか駅員2人が常駐し、町内に住む工務系職員と家族は15人ほど。野々村町長は「人口減に歯止めをかけようと 地方創生 の総合戦略を策定し、新年度から具体的施策に取り組む矢先。1月に説明して4月実施というやり方も急すぎる」と憤り、「将来的に幌延駅が無人化される恐れもある」と懸念。さらに、稚内~音威子府約130キロの区間に常駐の工務系職員が不在となるため「シカ衝突など事故や除雪などの対応に遅れが生じるのではないか」と疑問を呈する。
 同社は4日、加藤市長に普通列車減便や工務系職員の集約について説明に訪れる予定。両町長は事前の2日に加藤市長と協議し、協議会としてJR側に反対の意向を伝えたい考え。(中橋広岳)

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このブログでも再三指摘してきたが、JR北海道は公共交通機関としての役割を果たしておらず、国鉄からJR北海道への民間移管後の国土交通省の指導監督の欠如がはなはだしい。
北海道開拓の名のもとに多くの移住を推進し、日本の一次産業としての農林水産業の発展に欠かせなかった鉄道網は、寸断され、そこで働く多くの職員の雇用を奪ったこの国鉄民営化は大きな行政の誤りといえる。地方自治体もJRをボイコットし国土交通省の管轄下に置かせた方がすっきりする。
広い北海道の地方振興には、公共交通機関としての隅から隅まで張り巡らされた鉄道網を整備することこそ、雇用の拡大と安定した職場の増大、限界集落、TPP対策、温暖化対策さらには海外観光客の交通手段、飲酒運転対策や高齢運転者の事故防止と、数え切れぬ可能性が秘められた地方活性化の切り札でもあると考える。赤字のために安全の切り札である保線区員の削減や赤字路線の廃線や減便はもはやJR北海道の再生とは真逆の案でしかない。JR北海道に任せていては自力再生は不可能である。
公共交通機関として満たさなければならない条件を実現できないのであれば経営陣ともども国へ鉄道事業を変換したらよい。
また、全道の自治体の首長も、高橋知事にこの改善を要求したらよい。日高線の護岸工事すらまっとうに対策を講じない中央官庁の縦割り制度に任せていては一向に住民の要求は生かされない。
国の税金をつぎ込んでも維持すべき鉄道網は次代の北海道の発展にもかかっていることを、もっと真剣に考えてもらいたいものだ。
新幹線に浮かれてJR北海道の暴挙を許してはならない。