御嶽山、もんじゅ、そして原発

武田邦彦先生は
現中部大学 教授
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。

テレビを見られた方も多いと思うが、武田先生は科学者として正しいと信ずる発言をしてくれる方で、特に先生のブログは必ず読ませていただいている。下記がブログアドレスです。ご一読ください。
http://takedanet.com/2014/10/post_9962.html
このブログで上記タイトルの記事がある。
御嶽山の噴火予知についての状況や、もんじゅの監視カメラの故障放置の解説の後、以下の記事につながる。
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ひどいものだ。でも、それは私たち国民はすでにわかっている。東京の電気の3分の1が新潟と福島という300キロも離れたところに原発をおいて送電していた。いま、経済界のトップである経団連は原発を再開するのに賛成である。そこで質問をしてみたい。

武田「会長さん、原発は安全ですか?」
会長「そりゃ、安全だよ」
武田「送電ロスがかなりあるのですが、なぜ東京に作らないのですか?」
会長「そりゃ、危険だからだ」

だれでも驚く会話だ。でも、今度の御嶽山の噴火のあとの噴火予知会長の会話とまるでそっくりだ。

記者「レベル1は安全に登山できるのですか?」
会長「そりゃ、安全だよ。レベル1の説明を見ただろう。君は」
記者「でもレベル1で50人以上も犠牲になりましたが」
会長「そりゃ、君。大人なら火山が危険だぐらい知っているだろう」
記者「火山が危険なら、なぜレベル1が安全なんですか?」
会長「俺たちはその場その場なんだ。そんなことも分かっていないのか」

ということだ。経団連の会長が「原発は安全で、危険だ」といい、噴火予知会長が「御嶽山は安全だが、火山だから危険だ」と平然というのとまったく同じ感覚である。

これを「両価性」という。同時に二つの矛盾したことをいっても本人は気がつかない。自分の名誉、お金、利権、権威などに惑わされた一種の精神病である。でもこのような人が日本を指導しているし、それを私たち自身が厳しく追及もせず、そのまま認めているのだから、かわいそうに11歳の子供も含めてぎせいになった。大人の責任だろう。

今でも原発を再開するのに賛成している人が多いぐらいだから。
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武田先生は「両価性」と称したが、まさに私が再三このブログで指摘しているように、日本では政治家や経済界・官僚の論理的破綻をマスコミや政治評論家、経済学者が全く指摘しないのはいかがなものだろうか。

上記の例のように、明らかな「両価性」がまかり通る日本は、危機的状況である。
国民がもっとこのような論理的矛盾に敏感になっていてほしいものだ。
最終的にはこのような指導者を選んだ国民の責任だから。