子どもの貧困対策

NHKニュース
8月28日 17時52分

安倍総理大臣は、子どもの貧困対策を話し合う政府の検討会のメンバーと意見を交わし、「学校や地域の連携による学習支援や、教育費の負担軽減に取り組んでいく」と述べ、子どもの貧困対策の充実を図る考えを強調しました。

このなかで安倍総理大臣は、「どんな経済状況でも、皆に同じようなチャンスのある社会をつくっていくのが私たちの使命だ。まさに、貧困の連鎖は断ち切っていかなければならない」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は、「学校や地域の連携による学習支援や、教育費の負担軽減、学校と福祉の連携などの施策に継続的に取り組んでいきたい」と述べ、子どもの貧困対策の充実を図る考えを強調しました。
検討会は、高校生向けの給付型の奨学金や、大学生向けの無利子奨学金の拡充などを盛り込んだ「子供の貧困対策に関する大綱」の案を取りまとめていて、政府は29日の閣議で決定することにしています。
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My comment

このところ地方創生とか、貧困の解消とか国民が最も問題としている課題について政府が次の予算案に盛り込む姿勢をアピールしだした。

どれもこれも、内閣支持率の低下や、政策が思うような成果を上げない時、選挙の近い時(来年の地方選挙)などに決まって打ち出す人気取り政策である。

このような対策は単なる一時的なバラマキ・人気取り政策であることをしっかり国民は見切る必要がある。

この問題を根本的に解決しようとしている議員は皆無と言って良い。
なぜなら票や政治献金に結びつかないからだ。

貧困の原因が、格差社会からきていることは誰が見ても明らかで、決して国民が怠惰であるわけではない。
これまで日本の復興を支えてきたのは終身雇用であり、年金財政を支えた厚生年金や雇用形態(労働組合によって労働協約が守られる)であることを忘れ、企業の人件費節約のために取り入れた規制緩和。即ち、パート労働や派遣社員制度を解禁したことである。

この改悪以前は、一億総中流意識のもと、大きな格差もなく企業も社員も嬉々として企業発展のために尽くしてきたのである。

しかし、この改悪によって、労働者が組合や労働協約によって守られていた安定雇用が失われ、労働が企業の発展という愛社精神をうばい、単なる報酬を得る対価としか考えなくなった結果、企業(株主=資本家)の利益を増やして来たのである。

今や、安定した職場を得ることができた者以外は、使い捨て労働力となって、いくら働いても貧困から抜け出せないのが現状である。
特に、学校卒業後に正社員としての雇用の場が得られなかったものはこの状態から抜け出す道すら見つかっていない。

さらに低所得層に一時金を配ってまで実行した消費税が追い打ちをかけ、さらに円安で原油高、原発事故で電気料金値上げと全く立ち直りを許さない状況である。

これからの時代、世界的にも大富豪が認められないような再分配の仕組みを考えなければ、いつかまた政変やクーデターが起こることは明らかである。
その典型がウクライナである。元々旧ソ連は共産主義社会であったために、ソ連が解体されてから、多分ウクライナの内部で格差や人種的差別化が進んでいるのであろう。
これらに敏感な親ロシア派が彼らの望む政権(平等社会制)を目指しての内戦である。
新疆ウイグル自治区問題然り、イラク問題然り、イスラエル問題も然りである。

貧困是正の最も効果的な方法は、高所得者や資本家から税金として吐き出してもらうことである。即ち、一定限度以上の所得や資産を増やすことは、資本の偏りとなり、格差社会の助長となる。

自由主義経済、資本主義は高度な社会建設には必要な仕組みであったかもしれないが、これほど地球規模で起こるさまざまな衝突は、1国で対応できる問題ではない。世界的に平等社会を建設することが必要な時代である。

現在の大富豪は多くの貧困層を踏み台にして生み出した資産であることを、ゆめゆめ忘れてはならない。
それを自覚して、自ら進んでこの改善に向かわなければいずれ、社会の標的となるだろう。
ひとりの人間が必要以上の収入や資産を得ることは、現代社会ではむしろ罪悪であると考えるべきである。必要以上の資本は人間を不幸にし、愚かな動物に回帰していくだろう。