教育問題その1

最近、政府は教育改革とか教育再生とか議論が賑やかである。
しかし、いじめ問題や学力低下問題の根本原因が何かを理解している、
政治家はほとんどいないに等しい。
教育現場の現状をもっと知る必要がある。

管理人は、教育・研究職に永く関わってきたが、学校5日制やゆとり教育
の初め頃より、入学してくる生徒の学力が目に見えて低くなってきた。
特に理工系専門学校では、数学・物理学を中学教育まで繰り下げて
教育し直さなければ、以降の専門科目を理解することが難しいという
実感があった。

定年後これらの状況を知るために、予備校講師を5年ほど継続し、
現在も仕事をしている。

ここで感じることは、特に国語力の低下と数学レベルが小学生並の高校生
がいかに多いかということである。
ほとんど、算数の域を出ていない。すなわち計算はできるが、数式や論理的
な思考力は全く教育されていないのが現状である。
この原因は、小中学校教員の理数のレベルが相当に低下していることが
原因であると考えている。
小学校教員は教員免状を取得さえすれば、そのレベルがどうあれ、
すべての教科を教えるのである。

特に数学は、物事の考え方それを解決するための数式の理解がもっとも
大切なのに、これを教えずに計算方法しか教えていない。
しかも、数学は積み上げ式で、一度つまずくと以後の大部分の理解が
できなくなる教科である。
どの単元も決して疎かにできない内容なのである。

科学技術あればこその日本である。戦後の復興にどれだけ寄与してきたか
資源小国の日本が向かうべきは、高度の知能教育であることを原点に議論
をしてもらいたいものだ。

まず教育改革・学力増進には小・中学校の数学・理科の指導は専門
の教員に委ねるべきである。
そして、教員免状をとっただけの教員ではなく、実社会において経験を積
んだ人材を教員として採用する道を開くべきである。
少なくとも教育現場しか知らない閉鎖社会である義務教育現場の
改革が急務である。