参議院選挙に思う。

参院議員選挙で大勝した自民党は早速消費税率の引き上げ(来年4月予定)についてこのところ世論を気にして、実施時期の判断についての言及が多い。
 今回の選挙で、自民党が国民から支持されたのではなく、多くの国民が選ぶべき立候補者がいなかったというべきで、国会議員の質の低下と野党(特に民主党への失望、政治不信)が背景にあることを肝に銘じて政権運営をしてもらいたい。

 消費税は一度上げたら絶対に下がらないことを国民は十分承知している。また、いつあげるかの議論ではなく、国会議員が真っ先に痛みを受け止めて見せること。すなわち、小手先の1票の格差ではなく、議員定数削減、歳費の大幅削減、特別会計の一般会計化、公務員の行政改革など財政再建にはやるべきことが山積しているにもかかわらず、これらの議論がなされているのか国民には見えてこない。

 原発問題にしても、福島がまだ放射能を出し続けているにもかかわらず、再稼働への動きが急である。電力料金を上げたくなかったら原発再稼働を認めろという、国民への恫喝のような電力会社の言い分。原発は一度起きたらこんな大事故になり、人間の技術力では防ぎきれない禁断のエネルギーであることは誰にも明らかである。自分たちの怠慢、失態を電力料金の値上げで解決しようとすることは決して許される話ではない。

 原発へ舵を切った今から40年ほど前、「放射性廃棄物の処理は、原発が寿命を迎える40年後までには解決する。」「考えられるあらゆる安全対策をとる」と豪語した電力会社・経産省・原子力規制委員会などの議論を私は忘れていない。今になってどんな規制案を出してきても、信じるわけにはいかない。明らかな原子力行政の怠慢であるといっても過言ではない。

 どんなに安全対策を講じても、現在の大規模原発は、弱点が多すぎる。筆者は機械技術者として、この関連の仕事をしてきたが、今こそきっぱり原発から撤退し、自然エネルギへの転換を図る絶好の期会であることを提言したい。