水力発電への回帰

 原発依存度に関する討論会が各地で行われているが、何年後の何%の依存などはこの討論会の意味をなさない。原発を廃棄するか存続するかのyesかnoよりない事は明白である。

 しかも、福島の事故はもう2度と起こらない事は保障されない。誰がこの原発が絶対安全などという保証をするというのか。福島の対応を見ていても原子炉を完全に制御する技術を日本はまだ持ち合わせていないと見るのが自然である。

 幸いと言うべきか、原発に依存しなくても、日本の電力は十分代替出来るシステムが残っている。今こそ、原発から脱却するチャンスでもある。
 
 特に水力発電は、人類が自然エネルギを利用しようとしたもっとも初期の発電システムであり、それは治水の面からも、今一度見直すべきである。
 ダムは発電に利用され田畑を潤し、豪雨の災害を軽減しCO2等の排出も少なく、利用の仕方によっては、山から海までの間何度でも流水のエネルギーを利用することができるのである。

 太陽光発電がエコだと騒がれているが、このパネル製作に莫大な化石燃料を必要とし、10数年ごとにそのコントローラーの更新が必要である。
 ましてや、天候次第でその発電量は大きく変動する。再生可能エネルギーとしての本質的なシステムではなくあくまでも補助的なシステムである。

 幸い日本は、梅雨の季節と、冬の豪雪で夏冬通じて、水不足となることはめったにない。今年は特に自然災害が多い。それも過去に経験のない時間雨量100mmを超えるような大雨や、強風、竜巻といった災害がひっきりなしに起こる。少なくとも水害は広い範囲を災害に陥れる。これらの緩和にもダムは役立つのである。

 昔より、治水は地方のインフラ整備に欠かせない重要事業であったはずである。原発などこれから先どんな想定外の事態が起こらないとも限らない。起こってしまったら取り返しがつかない事をすでに体験しているのに、なぜきっぱりと原発と決別出来ないのか不思議である。